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コリント後書
🔝
〘361㌻〙
第1章
1
神
かみ
の
御意󠄃
みこゝろ
によりてイエス・キリストの
使徒
しと
となれるパウロ
及
およ
び
兄弟
きゃうだい
テモテ、
書
ふみ
をコリントに
在
あ
る
神
かみ
の
敎會
けうくわい
ならびにアカヤ
全󠄃國
ぜんこく
に
在
あ
る
凡
すべ
ての
聖󠄄徒
せいと
に
贈
おく
る。
2
願
ねがは
くは
我
われ
らの
父󠄃
ちち
なる
神
かみ
および
主
しゅ
イエス・キリストより
賜
たま
ふ
恩惠
めぐみ
と
平󠄃安
へいあん
と
汝
なんぢ
らに
在
あ
らんことを。
3
讃
ほ
むべき
哉
かな
、われらの
主
しゅ
イエス・キリストの
父󠄃
ちち
なる
神
かみ
、
即
すなは
ちもろもろの
慈悲
じひ
の
父󠄃
ちち
、
一切
すべて
の
慰安
なぐさめ
の
神
かみ
、
4
われらを
凡
すべ
ての
患難
なやみ
のうちに
慰
なぐさ
め、
我等
われら
をして
自
みづか
ら
神
かみ
に
慰
なぐさ
めらるる
慰安
なぐさめ
をもて、
諸般
もろもろ
の
患難
なやみ
に
居
を
る
者
もの
を
慰
なぐさ
むることを
得
え
しめ
給
たま
ふ。
5
そはキリストの
苦難
くるしみ
われらに
溢󠄃
あふ
るる
如
ごと
く、
我
われ
らの
慰安
なぐさめ
も
亦
また
キリストによりて
溢󠄃
あふ
るればなり。
6
我
われ
ら
或
あるひ
は
患難
なやみ
を
受
う
くるも
汝
なんぢ
らの
慰安
なぐさめ
と
救
すくひ
とのため、
或
あるひ
は
慰安
なぐさめ
を
受
う
くるも
汝
なんぢ
らの
慰安
なぐさめ
の
爲
ため
にして、その
慰安
なぐさめ
は
汝
なんぢ
らの
中
うち
に
働
はたら
きて
我
われ
らが
受
う
くる
如
ごと
き
苦難
くるしみ
を
忍󠄄
しの
ぶことを
得
え
しむるなり。
7
斯
かく
て
汝
なんぢ
らが
苦難
くるしみ
に
與
あづか
るごとく、また
慰安
なぐさめ
にも
與
あづか
ることを
知
し
れば、
汝
なんぢ
らに
對
たい
する
我
われ
らの
望󠄇
のぞみ
は
堅
かた
し。
8
兄弟
きゃうだい
よ、
我
われ
らがアジヤにて
遭󠄃
あ
ひし
患難
なやみ
を
汝
なんぢ
らの
知
し
らざるを
好
この
まず、
即
すなは
ち
壓
あつ
せらるること
甚
はなは
だしく
力
ちから
耐
た
へがたくして
生
い
くる
望󠄇
のぞみ
を
失
うしな
ひ、
9
心
こゝろ
のうちに
死
し
を
期
き
するに
至
いた
れり。これ
己
おのれ
を
賴
たの
まずして、
死人
しにん
を
甦
よみが
へらせ
給
たま
ふ
神
かみ
を
賴
たの
まん
爲
ため
なり。
10
神
かみ
は
斯
かゝ
る
死
し
より
我
われ
らを
救
すく
ひ
給
たま
へり、また
救
すく
ひ
給
たま
はん。
我
われ
らは
後
のち
もなほ
救
すく
ひ
給
たま
はんことを
望󠄇
のぞ
みて
神
かみ
を
賴
たの
み、
11
汝
なんぢ
らも
我
われ
らの
爲
ため
に
祈
いのり
をもて
助
たす
く。これ
多
おほ
くの
人
ひと
の
願望󠄇
ねがひ
によりて
賜
たま
はる
恩惠
めぐみ
を
多
おほ
くの
人
ひと
の
感謝
かんしゃ
するに
至
いた
らん
爲
ため
なり。
361㌻
12
われら
世
よ
に
在
あ
りて
殊
こと
に
汝
なんぢ
らに
對
たい
し、
神
かみ
の
淸淨
きよき
と
眞實
しんじつ
とをもて、また
肉
にく
の
智慧󠄄
ちゑ
によらず、
神
かみ
の
恩惠
めぐみ
によりて
行
おこな
ひし
事
こと
は
我
われ
らの
良心
りゃうしん
の
證
あかし
する
所󠄃
ところ
にして、
我
われ
らの
誇
ほこり
なり。
13
我
われ
らの
書
か
き
贈
おく
ることは、
汝
なんぢ
らの
讀
よ
むところ
知
し
る
所󠄃
ところ
の
他
ほか
ならず。
14
而
しか
して
我
われ
は
汝
なんぢ
等
ら
のうち
或
ある
者
もの
の
旣
すで
に
知
し
れる
如
ごと
く、
我
われ
らの
主
しゅ
イエスの
日
ひ
に
我
われ
らが
汝
なんぢ
らの
誇
ほこり
、なんぢらが
我
われ
らの
誇
ほこり
たるを
終󠄃
をはり
まで
知
し
らんことを
望󠄇
のぞ
む。
15
この
確信
かくしん
をもて
先
ま
づ
汝
なんぢ
らに
到
いた
り、
再
ふたゝ
び
益
えき
を
得
え
させ、
16
斯
かく
て
汝
なんぢ
らを
經
へ
てマケドニアに
徃
ゆ
き、マケドニアより
更
さら
に
復
また
なんぢらに
到
いた
り、
而
しか
して
汝
なんぢ
らに
送󠄃
おく
られてユダヤに
徃
ゆ
かんことを
定
さだ
めたり。
17
斯
か
く
定
さだ
めたるは
浮
う
きたる
事
こと
ならんや。わが
定
さだ
むるところ
肉
にく
によりて
定
さだ
め、
然
しか
り
然
しか
り、
否
いな
々
いな
と
言
い
ふが
如
ごと
きこと
有
あ
らんや。
〘262㌻〙
18
神
かみ
は
眞實
まこと
にて
在
いま
せば、
我
われ
らが
汝
なんぢ
らに
對
たい
する
言
ことば
も、
然
しか
りまた
否
いな
と
言
い
ふが
如
ごと
きにあらず。
19
我
われ
ら
即
すなは
ちパウロ、シルワノ、テモテが
汝
なんぢ
らの
中
うち
に
傳
つた
へたる
神
かみ
の
子
こ
キリスト・イエスは、
然
しか
りまた
否
いな
と
言
い
ふが
如
ごと
き
者
もの
にあらず、
然
しか
りと
言
い
ふことは
彼
かれ
によりて
成
な
りたるなり。
20
神
かみ
の
約束
やくそく
は
多
おほ
くありとも、
然
しか
りと
言
い
ふことは
彼
かれ
によりて
成
な
りたれば、
彼
かれ
によりてアァメンあり、
我
われ
ら
神
かみ
に
榮光
えいくわう
を
歸
き
するに
至
いた
る。
21
汝
なんぢ
らと
共
とも
に
我
われ
らをキリストに
堅
かた
くし、
且
かつ
われらに
膏
あぶら
を
注
そゝ
ぎ
給
たま
ひし
者
もの
は
神
かみ
なり。
22
神
かみ
はまた
我
われ
らに
印
いん
し、
保證
ほしょう
として
御靈
みたま
を
我
われ
らの
心
こゝろ
に
賜
たま
へり。
23
我
われ
わが
靈魂
たましひ
を
賭
か
けて
神
かみ
の
證
あかし
を
求
もと
む、
我
わ
がコリントに
徃
ゆ
くことの
遲
おそ
きは、
汝
なんぢ
らを
寛
ゆる
うせん
爲
ため
なり。
24
されど
我
われ
らは
汝
なんぢ
らの
信仰
しんかう
を
掌
つかさ
どる
者
もの
にあらず、
汝
なんぢ
らの
喜悅
よろこび
を
助
たす
くる
者
もの
なり、
汝
なんぢ
らは
信仰
しんかう
によりて
立
た
てばなり。
362㌻
第2章
1
われ
再
ふたゝ
び
憂
うれひ
をもて
汝
なんぢ
らに
到
いた
らじと
自
みづか
ら
定
さだ
めたり。
2
我
われ
もし
汝
なんぢ
らを
憂
うれ
ひしめば、
我
わ
が
憂
うれ
ひしむる
者
もの
のほかに
誰
たれ
か
我
われ
を
喜
よろこ
ばせんや。
3
われ
前󠄃
さき
に
此
こ
の
事
こと
を
書
か
き
贈
おく
りしは、
我
わ
が
到
いた
らんとき
我
われ
を
喜
よろこ
ばすべきもの、
反
かへ
つて
我
われ
を
憂
うれ
ひしむる
事
こと
のなからん
爲
ため
にして、
汝
なんぢ
らは
皆
みな
わが
喜悅
よろこび
を
喜悅
よろこび
とするを
信
しん
ずるに
因
よ
りてなり。
4
われ
大
おほい
なる
患難
なやみ
と
心
こゝろ
の
悲哀
かなしみ
とにより、
多
おほ
くの
淚
なみだ
をもて
汝
なんぢ
らに
書
か
き
贈
おく
れり。これ
汝
なんぢ
らを
憂
うれ
ひしめんとにあらず、
我
わ
が
汝
なんぢ
らに
對
たい
する
愛
あい
の
溢󠄃
あふ
るるばかりなるを
知
し
らしめん
爲
ため
なり。
5
もし
憂
うれ
ひしむる
人
ひと
あらば
我
われ
を
憂
うれ
ひしむるにあらず、
幾許
いくばく
か
汝
なんぢ
ら
衆
すべて
を
憂
うれ
ひしむるなり。(
幾許
いくばく
かと
云
い
へるは、われ
激
はげ
しく
責
せ
むるを
好
この
まぬ
故
ゆゑ
なり)
6
斯
かゝ
る
人
ひと
の
多數
たすう
の
者
もの
より
受
う
けたる
懲罰
こらしめ
は
足
た
れり。
7
されば
汝
なんぢ
ら
寧
むし
ろ
彼
かれ
を
恕
ゆる
し、かつ
慰
なぐさ
めよ、
恐
おそ
らくは
其
そ
の
人
ひと
、
甚
はなは
だしき
愁
うれひ
に
沈
しづ
まん。
8
この
故
ゆゑ
に
我
われ
なんぢらの
愛
あい
を
彼
かれ
に
顯
あらは
さんことを
勸
すゝ
む。
9
前󠄃
さき
に
書
か
き
贈
おく
りしは、
凡
すべ
ての
事
こと
につきて
汝
なんぢ
らが
從順
じゅうじゅん
なりや
否
いな
やをも
試
こゝろ
み
知
し
らん
爲
ため
なり。
10
なんぢら
何事
なにごと
にても
人
ひと
を
恕
ゆる
さば
我
われ
も
亦
また
これを
恕
ゆる
さん、われ
恕
ゆる
したる
事
こと
あらば、
汝
なんぢ
らの
爲
ため
にキリストの
前󠄃
まへ
に
恕
ゆる
したるなり。
11
これサタンに
欺
あざむ
かれざらん
爲
ため
なり、
我等
われら
はその
詭謀
はかりごと
を
知
し
らざるにあらず。
12
我
われ
キリストの
福音󠄃
ふくいん
の
爲
ため
にトロアスに
到
いた
り、
主
しゅ
われに
門
もん
を
開
ひら
き
給
たま
ひたれど、
13
我
わ
が
兄弟
きゃうだい
テトスに
逢
あ
はぬによりて
心
こゝろ
に
平󠄃安
やすき
をえず、
彼處
かしこ
の
者
もの
に
別
わかれ
を
吿
つ
げてマケドニヤに
徃
ゆ
けり。
14
感謝
かんしゃ
すべきかな、
神
かみ
は
何時
いつ
にてもキリストにより、
我
われ
らを
執
とら
へて
凱旋
がいせん
し、
何處
いづこ
にても
我等
われら
によりて、キリストを
知
し
る
知識
ちしき
の
馨
かをり
をあらはし
給
たま
ふ。
〘263㌻〙
15
救
すく
はるる
者
もの
にも
亡
ほろ
ぶる
者
もの
にも、
我
われ
らは
神
かみ
に
對
たい
してキリストの
香
かう
ばしき
馨
かをり
なり。
363㌻
16
この
人
ひと
には
死
し
よりいづる
馨
かをり
となりて
死
し
に
至
いた
らしめ、かの
人
ひと
には
生命
いのち
より
出
い
づる
馨
かをり
となりて
生命
いのち
に
至
いた
らしむ。
誰
たれ
か
此
こ
の
任
にん
に
耐
た
へんや。
17
我
われ
らは
多
おほ
くの
人
ひと
のごとく
神
かみ
の
言
ことば
を
曲
ま
げず、
眞實
しんじつ
により
神
かみ
による
者
もの
のごとく、
神
かみ
の
前󠄃
まへ
にキリストに
在
あ
りて
語
かた
るなり。
第3章
1
我等
われら
ふたたび
己
おのれ
を
薦
すゝ
め
始
はじ
めんや、また
或
ある
人
ひと
のごとく
人
ひと
の
推薦
すゐせん
の
書
ふみ
を
汝
なんぢ
らに
齎
もたら
し、また
汝
なんぢ
等
ら
より
受
う
くることを
要󠄃
えう
せんや。
2
汝
なんぢ
らは
即
すなは
ち
我
われ
らの
書
ふみ
にして
我
われ
らの
心
こゝろ
に
錄
しる
され、
又󠄂
また
すべての
人
ひと
に
知
し
られ、かつ
讀
よ
まるるなり。
3
汝
なんぢ
らは
明
あきら
かに
我
われ
らの
職
つとめ
によりて
書
か
かれたるキリストの
書
ふみ
なり。
而
しか
も
墨
すみ
にあらで
活
い
ける
神
かみ
の
御靈
みたま
にて
錄
しる
され、
石碑
せきひ
にあらで
心
こゝろ
の
肉碑
にくひ
に
錄
しる
されたるなり。
4
我
われ
らはキリストにより、
神
かみ
に
對
たい
して
斯
かゝ
る
確信
かくしん
あり。
5
されど
己
おのれ
は
何事
なにごと
をも
自
みづか
ら
定
さだ
むるに
足
た
らず、
定
さだ
むるに
足
た
るは
神
かみ
によるなり。
6
神
かみ
は
我
われ
らを
新約
しんやく
の
役者
えきしゃ
となるに
足
た
らしめ
給
たま
へり、
儀文
ぎぶん
の
役者
えきしゃ
にあらず、
靈
れい
の
役者
えきしゃ
なり。そは
儀文
ぎぶん
は
殺
ころ
し、
靈
れい
は
活
いか
せばなり。
7
石
いし
に
彫
ゑ
り
書
しる
されたる
死
し
の
法
のり
の
職
つとめ
にも
光榮
くわうえい
ありて、イスラエルの
子
こ
等
ら
はその
頓
やが
て
消󠄃
き
ゆべきモーセの
顏
かほ
の
光榮
くわうえい
を
見
み
つめ
得
え
ざりし
程
ほど
ならんには、
8
况
まし
て
靈
れい
の
職
つとめ
は
光榮
くわうえい
なからんや。
9
罪
つみ
を
定
さだ
むる
職
つとめ
もし
光榮
くわうえい
あらんには、
况
まし
て
義
ぎ
とする
職
つとめ
は
光榮
くわうえい
に
溢󠄃
あふ
れざらんや。
10
もと
光榮
くわうえい
ありし
者
もの
も
更
さら
に
勝󠄃
まさ
れる
光榮
くわうえい
に
比
くら
ぶれば、
光榮
くわうえい
なき
者
もの
となれり。
11
もし
消󠄃
き
ゆべき
者
もの
に
光榮
くわうえい
ありしならんには、
况
まし
て
永存
ながら
ふるものに
光榮
くわうえい
なからんや。
12
我
われ
らは
斯
かく
のごとき
希望󠄇
のぞみ
を
有
も
つゆゑに
更
さら
に
臆
おく
せずして
言
い
ひ、
13
又󠄂
また
モーセの
如
ごと
くせざるなり。
彼
かれ
は
消󠄃
き
ゆべき
者
もの
の
消󠄃
き
えゆくをイスラエルの
子
こ
らに
見
み
せぬために
面帕
かほおほひ
を
顏
かほ
におほひたり。
364㌻
14
然
さ
れど
彼
かれ
らの
心
こゝろ
鈍
にぶ
くなれり。キリストによりて
面帕
かほおほひ
の
廢
すた
るべきを
悟
さと
らねば、
今日
けふ
に
至
いた
るまで
舊約
きうやく
を
讀
よ
む
時
とき
その
面帕
かほおほひ
なほ
存
のこ
れり。
15
今日
けふ
に
至
いた
るまでモーセの
書
ふみ
を
讀
よ
むとき、
面帕
かほおほひ
は
彼
かれ
らの
心
こゝろ
のうへに
置
お
かれたり。
16
然
さ
れど
主
しゅ
に
歸
き
する
時
とき
、その
面帕
かほおほひ
は
取
と
り
除
のぞ
かるべし。
17
主
しゅ
は
即
すなは
ち
御靈
みたま
なり、
主
しゅ
の
御靈
みたま
のある
所󠄃
ところ
には
自由
じいう
あり。
18
我等
われら
はみな
面帕
かほおほひ
なくして
鏡
かがみ
に
映
うつ
るごとく、
主
しゅ
の
榮光
えいくわう
を
見
み
、
榮光
えいくわう
より
榮光
えいくわう
にすすみ、
主
しゅ
たる
御靈
みたま
によりて
主
しゅ
と
同
おな
じ
像
かたち
に
化
くわ
するなり。
〘264㌻〙
第4章
1
この
故
ゆゑ
に
我
われ
ら
憐憫
あはれみ
を
蒙
かうむ
りて
此
こ
の
職
つとめ
を
受
う
けたれば、
落膽
きおち
せず、
2
恥
は
づべき
隱
かく
れたる
事
こと
をすて、
惡巧
わるだくみ
に
步
あゆ
まず、
神
かみ
の
言
ことば
をみださず、
眞理
まこと
を
顯
あらは
して
神
かみ
の
前󠄃
まへ
に
己
おのれ
を
凡
すべ
ての
人
ひと
の
良心
りゃうしん
に
薦
すゝ
むるなり。
3
もし
我
われ
らの
福音󠄃
ふくいん
おほはれ
居
を
らば、
亡
ほろ
ぶる
者
もの
に
覆
おほ
はれをるなり。
4
この
世
よ
の
神
かみ
は
此
これ
等
ら
の
不
ふ
信者
しんじゃ
の
心
こゝろ
を
暗󠄃
くら
まして
神
かみ
の
像
かたち
なるキリストの
榮光
えいくわう
の
福音󠄃
ふくいん
の
光
ひかり
を
照
てら
さざらしめたり。
5
我
われ
らは
己
おのれ
の
事
こと
を
宣
の
べず、ただキリスト・イエスの
主
しゅ
たる
事
こと
と
我
われ
らがイエスのために
汝
なんぢ
らの
僕
しもべ
たる
事
こと
とを
宣
の
ぶ。
6
光
ひかり
、
暗󠄃
やみ
より
照
て
り
出
い
でよと
宣
のたま
ひし
神
かみ
は、イエス・キリストの
顏
かほ
にある
神
かみ
の
榮光
えいくわう
を
知
し
る
知識
ちしき
を
輝
かゞや
かしめんために
我
われ
らの
心
こゝろ
を
照
てら
し
給
たま
へるなり。
7
我等
われら
この
寶
たから
を
土
つち
の
器
うつは
に
有
も
てり、これ
優
すぐ
れて
大
おほい
なる
能力
ちから
の
我等
われら
より
出
い
でずして
神
かみ
より
出
い
づることの
顯
あらは
れんためなり。
8
われら
四方
しはう
より
患難
なやみ
を
受
う
くれども
窮
きう
せず、
爲
せ
ん
方
かた
つくれども
希望󠄇
のぞみ
を
失
うしな
はず、
9
責
せ
めらるれども
棄
す
てられず、
倒
たふ
さるれども
亡
ほろ
びず、
10
常
つね
にイエスの
死
し
を
我
われ
らの
身
み
に
負󠄅
お
ふ。これイエスの
生命
いのち
の
我
われ
らの
身
み
にあらはれん
爲
ため
なり。
365㌻
11
それ
我
われ
ら
生
い
ける
者
もの
の
常
つね
にイエスのため
死
し
に
付
わた
さるるは、イエスの
生命
いのち
の
我
われ
らの
死
し
ぬべき
肉體
にくたい
にあらはれん
爲
ため
なり。
12
さらば
死
し
は
我等
われら
のうちに
働
はたら
き、
生命
いのち
は
汝
なんぢ
等
ら
のうちに
働
はたら
くなり。
13
錄
しる
して『われ
信
しん
ずるによりて
語
かた
れり』とあるごとく、
我等
われら
にも
同
おな
じ
信仰
しんかう
の
靈
れい
あり、
信
しん
ずるに
因
よ
りて
語
かた
るなり。
14
これ
主
しゅ
イエスを
甦
よみが
へらせ
給
たま
ひし
者
もの
の
我等
われら
をもイエスと
共
とも
に
甦
よみが
へらせ、
汝
なんぢ
らと
共
とも
に
立
た
たしめ
給
たま
ふことを
我
われ
ら
知
し
ればなり。
15
凡
すべ
ての
事
こと
は
汝
なんぢ
らの
益
えき
なり。これ
多
おほ
くの
人
ひと
によりて
御惠
みめぐみ
の
增
ま
し
加
くは
はり、
感謝
かんしゃ
いや
增
まさ
りて
神
かみ
の
榮光
えいくわう
の
顯
あらは
れん
爲
ため
なり。
16
この
故
ゆゑ
に
我
われ
らは
落膽
きおち
せず、
我
われ
らが
外
そと
なる
人
ひと
は
壞
やぶ
るれども、
內
うち
なる
人
ひと
は
日々
ひび
に
新
あらた
なり。
17
それ
我
われ
らが
受
う
くる
暫
しばら
くの
輕
かろ
き
患難
なやみ
は
極
きは
めて
大
おほい
なる
永遠󠄄
とこしへ
の
重
おも
き
光榮
くわうえい
を
得
え
しむるなり。
18
我
われ
らの
顧󠄃
かへり
みる
所󠄃
ところ
は
見
み
ゆる
者
もの
にあらで
見
み
えぬ
者
もの
なればなり。
見
み
ゆる
者
もの
は
暫時
しばらく
にして、
見
み
えぬ
者
もの
は
永遠󠄄
とこしへ
に
至
いた
るなり。
第5章
1
我
われ
らは
知
し
る、
我
われ
らの
幕屋
まくや
なる
地上
ちじゃう
の
家
いへ
壞
やぶ
るれば、
神
かみ
の
賜
たま
ふ
建造󠄃物
たてもの
、すなはち
天
てん
にある、
手
て
にて
造󠄃
つく
らぬ、
永遠󠄄
とこしへ
の
家
いへ
あることを。
2
我等
われら
はその
幕屋
まくや
にありて
歎
なげ
き、
天
てん
より
賜
たま
ふ
住󠄃所󠄃
すみか
をこの
上
うへ
に
著
き
んことを
切
せつ
に
望󠄇
のぞ
む。
3
之
これ
を
著
き
るときは
裸
はだか
にてある
事
こと
なからん。
〘265㌻〙
4
我等
われら
この
幕屋
まくや
にありて
重荷
おもに
を
負󠄅
お
へる
如
ごと
くに
歎
なげ
く、
之
これ
を
脫󠄁
ぬ
がんとにあらで
此
こ
の
上
うへ
に
著
き
んことを
欲
ほっ
すればなり。これ
死
し
ぬべき
者
もの
の
生命
いのち
に
呑
の
まれん
爲
ため
なり。
5
我
われ
らを
此
こ
の
事
こと
に
適󠄄
かな
ふものとなし、その
證
しょう
として
御靈
みたま
を
賜
たま
ひし
者
もの
は
神
かみ
なり。
6
この
故
ゆゑ
に
我
われ
らは
常
つね
に
心
こゝろ
强
つよ
し、かつ
身
み
に
居
を
るうちは
主
しゅ
より
離
はな
れ
居
を
るを
知
し
る、
7
見
み
ゆる
所󠄃
ところ
によらず、
信仰
しんかう
によりて
步
あゆ
めばなり。
8
斯
か
く
心
こゝろ
强
つよ
し、
願
ねが
ふところは
寧
むし
ろ
身
み
を
離
はな
れて
主
しゅ
と
偕
とも
に
居
を
らんことなり。
9
然
さ
れば
身
み
に
居
を
るも
身
み
を
離
はな
るるも、ただ
御心
みこゝろ
に
適󠄄
かな
はんことを
力
つと
む。
10
我等
われら
はみな
必
かなら
ずキリストの
審判󠄄
さばき
の
座
ざ
の
前󠄃
まへ
にあらはれ、
善
ぜん
にもあれ
惡
あく
にもあれ、
各人
おのおの
その
身
み
になしたる
事
こと
に
隨
したが
ひて
報
むくい
を
受
う
くべければなり。
366㌻
11
斯
か
く
主
しゅ
の
畏
おそ
るべきを
知
し
るによりて
人々
ひとびと
に
説
と
き
勸
すゝ
む。われら
旣
すで
に
神
かみ
に
知
し
られたり、
亦
また
なんぢらの
良心
りゃうしん
にも
知
し
られたりと
思
おも
ふ。
12
我等
われら
は
再
ふたゝ
び
己
おのれ
を
汝
なんぢ
らに
薦
すゝ
むるにあらず、ただ
我等
われら
をもて
誇
ほこり
とする
機
をり
を
汝
なんぢ
らに
與
あた
へ、
心
こゝろ
によらず
外貌
うはべ
によりて
誇
ほこ
る
人々
ひとびと
に
答
こた
ふることを
得
え
させんと
爲
す
るなり。
13
我等
われら
もし
心
こゝろ
狂
くる
へるならば、
神
かみ
の
爲
ため
なり、
心
こゝろ
慥
たしか
ならば、
汝
なんぢ
らの
爲
ため
なり。
14
キリストの
愛
あい
われらに
迫󠄃
せま
れり。
我
われ
ら
思
おも
ふに、
一人
ひとり
すべての
人
ひと
に
代
かわ
りて
死
し
にたれば、
凡
すべ
ての
人
ひと
すでに
死
し
にたるなり。
15
その
凡
すべ
ての
人
ひと
に
代
かわ
りて
死
し
に
給
たま
ひしは、
生
い
ける
人
ひと
の
最早
もはや
おのれの
爲
ため
に
生
い
きず、
己
おのれ
に
代
かわ
り
死
し
にて
甦
よみが
へり
給
たま
ひし
者
もの
のために
生
い
きん
爲
ため
なり。
16
されば
今
いま
より
後
のち
われ
肉
にく
によりて
人
ひと
を
知
し
るまじ、
曾
かつ
て
肉
にく
によりてキリストを
知
し
りしが、
今
いま
より
後
のち
は
斯
かく
の
如
ごと
くに
知
し
ることをせじ。
17
人
ひと
もしキリストに
在
あ
らば
新
あらた
に
造󠄃
つく
られたる
者
もの
なり、
古
ふる
きは
旣
すで
に
過󠄃
す
ぎ
去
さ
り、
視
み
よ
新
あたら
しくなりたり。
18
これらの
事
こと
はみな
神
かみ
より
出
い
づ、
神
かみ
はキリストによりて
我
われ
らを
己
おのれ
と
和
やはら
がしめ、かつ
和
やはら
がしむる
職
つとめ
を
我
われ
らに
授
さづ
け
給
たま
へり。
19
即
すなは
ち
神
かみ
はキリストに
在
あ
りて
世
よ
を
己
おのれ
と
和
やはら
がしめ、その
罪
つみ
を
之
これ
に
負󠄅
お
はせず、かつ
和
やはら
がしむる
言
ことば
を
我
われ
らに
委
ゆだ
ね
給
たま
へり。
20
されば
我等
われら
はキリストの
使者
つかひ
たり、
恰
あたか
も
神
かみ
の
我等
われら
によりて
汝
なんぢ
らを
勸
すゝ
め
給
たま
ふがごとし。
我等
われら
キリストに
代
かわ
りて
願
ねが
ふ、なんぢら
神
かみ
と
和
やはら
げ。
21
神
かみ
は
罪
つみ
を
知
し
り
給
たま
はざりし
者
もの
を
我
われ
らの
代
かわり
に
罪
つみ
となし
給
たま
へり、これ
我
われ
らが
彼
かれ
に
在
あ
りて
神
かみ
の
義
ぎ
となるを
得
え
んためなり。
367㌻
第6章
1
我
われ
らは
神
かみ
とともに
働
はたら
く
者
もの
なれば、
神
かみ
の
恩惠
めぐみ
を
汝
なんぢ
らが
徒
いたづ
らに
受
う
けざらんことを
更
さら
に
勸
すゝ
む。
2
(
神
かみ
いひ
給
たま
ふ 『われ
惠
めぐみ
の
時
とき
に
汝
なんぢ
に
聽
き
き、
救
すくひ
の
日
ひ
に
汝
なんぢ
を
助
たす
けたり』と。
視
み
よ、
今
いま
は
惠
めぐみ
のとき、
視
み
よ
今
いま
は
救
すくひ
の
日
ひ
なり)
〘266㌻〙
3
我等
われら
この
職
つとめ
の
謗
そし
られぬ
爲
ため
に
何事
なにごと
にも
人
ひと
を
躓
つまづ
かせず。
4
反
かへ
つて
凡
すべ
ての
事
こと
において
神
かみ
の
役者
えきしゃ
のごとく
己
おのれ
をあらはす、
即
すなは
ち
患難
なやみ
にも、
窮乏
ともしき
にも、
苦難
くるしみ
にも、
5
打
う
たるるにも、
獄
ひとや
に
入
い
るにも、
騷擾
さわぎ
にも、
勞動
はたらき
にも、
眠
ねむ
らぬにも、
斷食󠄃
だんじき
にも、
大
おほい
なる
忍󠄄耐
にんたい
を
用
もち
ひ、
6
また
廉潔󠄄
いさぎよき
と
知識
ちしき
と
寛容
くわんよう
と
仁慈
なさけ
と
聖󠄄
せい
靈
れい
と
虛僞
いつはり
なき
愛
あい
と、
7
眞
まこと
の
言
ことば
と
神
かみ
の
能力
ちから
と
左右
さいう
に
持
も
ちたる
義
ぎ
の
武器
ぶき
とにより、
8
また
光榮
くわうえい
と
恥辱
はづかしめ
と
惡名
あしききこえ
と
美名
よききこえ
とによりて
表
あらは
す。
我
われ
らは
人
ひと
を
惑
まどは
す
者
もの
の
如
ごと
くなれども
眞
まこと
、
9
人
ひと
に
知
し
られぬ
者
もの
の
如
ごと
くなれども
人
ひと
に
知
し
られ、
死
し
なんとする
者
もの
の
如
ごと
くなれども、
視
み
よ、
生
い
ける
者
もの
、
懲
こら
さるる
者
もの
の
如
ごと
くなれども
殺
ころ
されず、
10
憂
うれ
ふる
者
もの
の
如
ごと
くなれども
常
つね
に
喜
よろこ
び、
貧󠄃
まづ
しき
者
もの
の
如
ごと
くなれども
多
おほ
くの
人
ひと
を
富
と
ませ、
何
なに
も
有
も
たぬ
者
もの
の
如
ごと
くなれども
凡
すべ
ての
物
もの
を
有
も
てり。
11
コリント
人
びと
よ、
我
われ
らの
口
くち
は
汝
なんぢ
らに
向
むか
ひて
開
ひら
け、
我
われ
らの
心
こゝろ
は
廣
ひろ
くなれり。
12
汝
なんぢ
らの
狹
せま
くせらるるは、
我
われ
らに
因
よ
るにあらず、
反
かへ
つて
己
おの
が
心
こゝろ
に
因
よ
るなり。
13
汝
なんぢ
らも
心
こゝろ
を
廣
ひろ
くして
我
われ
に
報
むくい
をせよ。(
我
われ
わが
子
こ
に
對
たい
する
如
ごと
く
言
い
ふなり)
14
不
ふ
信者
しんじゃ
と
軛
くびき
を
同
おな
じうすな、
釣合
つりあ
はぬなり、
義
ぎ
と
不義
ふぎ
と
何
なに
の
干與
あづかり
かあらん、
光
ひかり
と
暗󠄃
やみ
と
何
なに
の
交際
まじはり
かあらん。
15
キリストとベリアルと
何
なに
の
調和
てうわ
かあらん、
信者
しんじゃ
と
不
ふ
信者
しんじゃ
と
何
なに
の
關係
かかはり
かあらん。
16
神
かみ
の
宮
みや
と
偶像
ぐうざう
と
何
なに
の
一致
いっち
かあらん、
我
われ
らは
活
い
ける
神
かみ
の
宮
みや
なり、
即
すなは
ち
神
かみ
の
言
い
ひ
給
たま
ひしが
如
ごと
し。
曰
いは
く 『われ
彼
かれ
らの
中
うち
に
住󠄃
す
み、また
步
あゆ
まん。
我
われ
かれらの
神
かみ
となり、
彼
かれ
等
ら
わが
民
たみ
とならん』と。
368㌻
17
この
故
ゆゑ
に 『
主
しゅ
いひ
給
たま
ふ、 「
汝
なんぢ
等
ら
かれらの
中
うち
より
出
い
で、
之
これ
を
離
はな
れ、
穢
けが
れたる
者
もの
に
觸
さは
るなかれ」と。 さらば
我
われ
なんぢらを
受
う
け、
18
われ
汝
なんぢ
らの
父󠄃
ちち
となり、
汝
なんぢ
等
ら
わが
息子
むすこ
・
娘
むすめ
とならんと、
全󠄃能
ぜんのう
の
主
しゅ
いひ
給
たま
ふ』とあるなり。
第7章
1
されば
愛
あい
する
者
もの
よ、
我
われ
ら
斯
かゝ
る
約束
やくそく
を
得
え
たれば、
肉
にく
と
靈
れい
との
汚穢
けがれ
より
全󠄃
まった
く
己
おのれ
を
潔󠄄
きよ
め、
神
かみ
を
畏
おそ
れてその
淸潔󠄄
きよき
を
成就
じゃうじゅ
すべし。
〘267㌻〙
2
我
われ
らを
受
う
け
容
い
れよ、われら
誰
たれ
にも
不義
ふぎ
をなしし
事
こと
なく、
誰
たれ
をも
害󠄅
そこな
ひし
事
こと
なく、
誰
たれ
をも
掠
かす
めし
事
こと
なし。
3
わが
斯
か
く
言
い
ふは、
汝
なんぢ
らを
咎
とが
めんとにあらず、そは
我
わ
が
旣
すで
に
言
い
へる
如
ごと
く、
汝
なんぢ
らは
我
われ
らの
心
こゝろ
にありて
共
とも
に
死
し
に、
共
とも
に
生
い
くればなり。
4
我
われ
なんぢらを
信
しん
ずること
大
おほい
なり、また
汝
なんぢ
等
ら
をもて
誇
ほこり
とすること
大
おほい
なり、
我
われ
は
慰安
なぐさめ
にみち、
凡
すべ
ての
患難
なやみ
の
中
うち
にも
喜悅
よろこび
あふるるなり。
5
マケドニヤに
到
いた
りしとき、
我
われ
らの
身
み
はなほ
聊
いさゝ
かも
平󠄃安
やすき
を
得
え
ずして
樣々
さまざま
の
患難
なやみ
に
遭󠄃
あ
ひ、
外
そと
には
分󠄃爭
あらそひ
、
內
うち
には
恐懼
おそれ
ありき。
6
然
さ
れど
哀
あはれ
なる
者
もの
を
慰
なぐさ
むる
神
かみ
は、テトスの
來
きた
るによりて
我
われ
らを
慰
なぐさ
め
給
たま
へり。
7
唯
たゞ
その
來
きた
るに
因
よ
りてのみならず、
彼
かれ
が
汝
なんぢ
らによりて
得
え
たる
慰安
なぐさめ
をもて
慰
なぐさ
め
給
たま
へり。
即
すなは
ち
汝
なんぢ
らの
我
われ
を
慕
した
ふこと、
歎
なげ
くこと、
我
われ
に
對
たい
して
熱心
ねっしん
なることを
我
われ
らに
吿
つ
ぐるによりて
我
われ
ますます
喜
よろこ
べり。
8
われ
書
ふみ
をもて
汝
なんぢ
らを
憂
うれ
ひしめたれども
悔
く
いず、その
書
ふみ
の
汝
なんぢ
らを
暫
しばら
く
憂
うれ
ひしめしを
見
み
て、
前󠄃
さき
には
悔
く
いたれども
今
いま
は
喜
よろこ
ぶ。
9
わが
喜
よろこ
ぶは
汝
なんぢ
らの
憂
うれ
ひしが
故
ゆゑ
にあらず、
憂
うれ
ひて
悔改
くいあらため
に
至
いた
りし
故
ゆゑ
なり。
汝
なんぢ
らは
神
かみ
に
從
したが
ひて
憂
うれ
ひたれば、
我等
われら
より
聊
いさゝ
かも
損
そん
を
受
う
けざりき。
369㌻
10
それ
神
かみ
にしたがふ
憂
うれひ
は、
悔
くい
なきの
救
すくひ
を
得
う
るの
悔改
くいあらため
を
生
しゃう
じ、
世
よ
の
憂
うれひ
は
死
し
を
生
しゃう
ず。
11
視
み
よ、
汝
なんぢ
らが
神
かみ
に
從
したが
ひて
憂
うれ
ひしことは、
如何
いか
許
ばかり
の
奮勵
はげみ
・
辯明
べんめい
・
憤激
いきどほり
・
恐懼
おそれ
・
愛慕
したひ
・
熱心
ねっしん
・
罪
つみ
を
責
せ
むる
心
こゝろ
などを
汝
なんぢ
らの
中
うち
に
生
しゃう
じたりしかを。
汝
なんぢ
等
ら
かの
事
こと
に
就
つ
きては
全󠄃
まった
く
潔󠄄
きよ
きことを
表
あらは
せり。
12
されば
前󠄃
さき
に
書
ふみ
を
汝
なんぢ
らに
書
か
き
贈
おく
りしも、
不義
ふぎ
をなしたる
人
ひと
の
爲
ため
にあらず、また
不義
ふぎ
を
受
う
けたる
人
ひと
の
爲
ため
にあらず、
我
われ
らに
對
たい
する
汝
なんぢ
らの
奮勵
はげみ
の、
神
かみ
の
前󠄃
まへ
にて
汝
なんぢ
らに
顯
あらは
れん
爲
ため
なり。
13
この
故
ゆゑ
に
我
われ
らは
慰安
なぐさめ
を
得
え
たり。
慰安
なぐさめ
を
得
え
たる
上
うへ
にテトスの
喜悅
よろこび
によりて
更
さら
に
喜
よろこ
べり。そは
彼
かれ
の
心
こゝろ
なんぢら
一同
いちどう
によりて
安
やす
んぜられたればなり。
14
われ
曩
さき
に
彼
かれ
の
前󠄃
まへ
に
汝
なんぢ
らに
就
つ
きて
誇
ほこ
りたれど
恥
は
づることなし、
我
われ
らが
汝
なんぢ
らに
語
かた
りし
事
こと
のみな
誠實
まこと
なりし
如
ごと
く、テトスの
前󠄃
まへ
に
誇
ほこ
りし
事
こと
もまた
誠實
まこと
となれり。
15
彼
かれ
は
汝
なんぢ
等
ら
みな
從順
じゅうじゅん
にして
畏
おそ
れ
戰
をのゝ
き、
己
おのれ
を
迎󠄃
むか
へしことを
思
おも
ひ
出
いだ
して、
心
こゝろ
を
汝
なんぢ
らに
寄
よ
すること
增々
ますます
深
ふか
し。
16
われ
凡
すべ
ての
事
こと
に
汝
なんぢ
らに
就
つ
きて
心
こゝろ
强
つよ
きを
喜
よろこ
ぶ。
第8章
1
兄弟
きゃうだい
よ、
我
われ
らマケドニヤの
諸
しょ
敎會
けうくわい
に
賜
たま
ひたる
神
かみ
の
恩惠
めぐみ
を
汝
なんぢ
らに
知
し
らす。
2
即
すなは
ち
患難
なやみ
の
大
おほい
なる
試練
こゝろみ
のうちに
彼
かれ
らの
喜悅
よろこび
あふれ、
又󠄂
また
その
甚
はなは
だしき
貧󠄃窮
まづしさ
は
吝
をし
みなく
施
ほどこ
す
富
とみ
の
溢󠄃
あふ
るるに
至
いた
れり。
〘268㌻〙
3
-4 われ
證
あかし
す、
彼
かれ
らは
聖󠄄徒
せいと
に
事
つか
ふることに
與
あづか
る
惠
めぐみ
を
切
せつ
に
我
われ
らに
請󠄃
こ
ひ
求
もと
め、みづから
進󠄃
すゝ
みて
力
ちから
に
應
おう
じ、
否
いな
これに
過󠄃
す
ぎて
施濟
ほどこし
をなせり。
5
我
われ
らの
望󠄇
のぞみ
のほかに
先
ま
づ
己
おのれ
を
主
しゅ
にささげ、
神
かみ
の
御意󠄃
みこゝろ
によりて
我
われ
らにも
身
み
を
委
ゆだ
ねたり。
6
されば
我
われ
らはテトスが
前󠄃
さき
に
此
こ
の
慈惠
めぐみ
のことを
汝
なんぢ
らの
中
うち
に
始
はじ
めたれば、
又󠄂
また
これを
成就
じゃうじゅ
せんことを
勸
すゝ
めたり。
7
汝
なんぢ
等
ら
もろもろの
事
こと
、すなはち
信仰
しんかう
に、
言
ことば
に、
知識
ちしき
に、
凡
すべ
ての
奮勵
はげみ
に、また
我
われ
らに
對
たい
する
愛
あい
に
富
と
めるごとく、
此
こ
の
慈惠
めぐみ
にも
富
と
むべし。
8
われ
斯
か
く
言
い
ふは
汝
なんぢ
らに
命
めい
ずるにあらず、ただ
他
ほか
の
人
ひと
の
奮勵
はげみ
によりて、
汝
なんぢ
らの
愛
あい
の
眞實
しんじつ
を
試
こゝろ
みん
爲
ため
なり。
370㌻
9
汝
なんぢ
らは
我
われ
らの
主
しゅ
イエス・キリストの
恩惠
めぐみ
を
知
し
る。
即
すなは
ち
富
と
める
者
もの
にて
在
いま
したれど、
汝
なんぢ
等
ら
のために
貧󠄃
まづ
しき
者
もの
となり
給
たま
へり。これ
汝
なんぢ
らが
彼
かれ
の
貧󠄃窮
まづしさ
によりて
富
と
める
者
もの
とならん
爲
ため
なり。
10
施濟
ほどこし
のことに
就
つ
きて
我
われ
ただ
意󠄃見
いけん
を
述󠄃
の
ぶ、これは
汝
なんぢ
らの
益
えき
なり。
汝
なんぢ
らは
此
こ
の
事
こと
をただに
一年
ひととせ
前󠄃
まへ
より
人
ひと
に
先
さき
だちて
行
おこな
ひしのみならず、
又󠄂
また
これを
願
ねがひ
い
始
はじ
めし
事
こと
なれば、
11
今
いま
これを
成
な
し
遂󠄅
と
げよ、
汝
なんぢ
らが
心
こゝろ
より
願
ねが
ひしごとく、
所󠄃有
もちもの
に
應
おう
じて
成
なし
遂󠄅
と
げよ。
12
人
ひと
もし
志望󠄇
こゝろざし
あらば
其
そ
の
有
も
たぬ
所󠄃
ところ
に
由
よ
るにあらず、
其
そ
の
有
も
つ
所󠄃
ところ
に
由
よ
りて
嘉納󠄃
かなふ
せらるるなり。
13
これ
他
ほか
の
人
ひと
を
安
やす
くして
汝
なんぢ
らを
苦
くる
しめんとにあらず、
均
ひと
しくせんと
爲
す
るなり。
14
即
すなは
ち
今
いま
なんぢらの
餘
あま
るところは
彼
かれ
らの
足
た
らざるを
補
おぎな
ひ、
後
のち
また
彼
かれ
らの
餘
あま
る
所󠄃
ところ
は
汝
なんぢ
らの
足
た
らざるを
補
おぎな
ひて
均
ひと
しくなるに
至
いた
らんためなり。
15
錄
しる
して『
多
おほ
く
集
あつ
めし
者
もの
にも
餘
あま
る
所󠄃
ところ
なく、
少
すくな
く
集
あつ
めし
者
もの
にも
足
た
らざる
所󠄃
ところ
なかりき』とあるが
如
ごと
し。
16
汝
なんぢ
らに
對
たい
する
同
おな
じ
熱心
ねっしん
をテトスの
心
こゝろ
にも
賜
たま
へる
神
かみ
に
感謝
かんしゃ
す。
17
彼
かれ
はただに
勸
すゝめ
を
容
い
れしのみならず、
甚
はなは
だ
熱心
ねっしん
にして、
自
みづか
ら
進󠄃
すゝ
んで
汝
なんぢ
らに
徃
ゆ
くなり。
18
我等
われら
また
彼
かれ
とともに
一人
ひとり
の
兄弟
きゃうだい
を
遣󠄃
つかは
す。この
人
ひと
は
福音󠄃
ふくいん
をもて
諸
しょ
敎會
けうくわい
のうちに
譽
ほまれ
を
得
え
たる
上
うへ
に、
19
主
しゅ
の
榮光
えいくわう
と
我
われ
らの
志望󠄇
こゝろざし
とを
顯
あらは
さんがために
掌
つかさ
どれる
此
こ
の
慈惠
めぐみ
に
就
つ
きて
諸
しょ
敎會
けうくわい
より
我
われ
らの
道󠄃伴󠄃
みちづれ
として
選󠄄
えら
ばれたる
者
もの
なり。
20
彼
かれ
を
遣󠄃
つかは
すは
此
こ
の
大
おほい
なる
醵金
きょきん
を
掌
つかさ
どるに
人
ひと
に
咎
とが
めらるる
事
こと
を
避󠄃
さ
けんためなり。
21
そは
主
しゅ
の
前󠄃
まへ
のみならず、
人
ひと
の
前󠄃
まへ
にも
善
よ
からんことを
慮
おもん
ぱかりてなり。
22
また
一人
ひとり
の
兄弟
きゃうだい
を
彼
かれ
らと
共
とも
につかはす、
我
われ
らは
多
おほ
くの
事
こと
につきて
屡次
しばしば
かれの
熱心
ねっしん
なるを
認󠄃
みと
めたり。
而
しか
して
今
いま
は
彼
かれ
が
汝
なんぢ
らを
深
ふか
く
信
しん
ずるに
因
よ
りて、その
熱心
ねっしん
の
更
さら
に
加
くは
はるを
認󠄃
みと
む。
371㌻
23
テトスのことを
言
い
へば
我
わ
が
友
とも
なり、
汝
なんぢ
らに
對
たい
して
我
わ
が
同勞者
どうらうしゃ
なり。この
兄弟
きゃうだい
たちの
事
こと
をいへば
彼
かれ
らは
諸
しょ
敎會
けうくわい
の
使
つかひ
なり、キリストの
榮光
えいくわう
なり。
〘269㌻〙
24
されば
汝
なんぢ
らの
愛
あい
と
我
われ
らが
汝
なんぢ
らに
就
つ
きて
誇
ほこ
れる
事
こと
との
證
あかし
を
諸
しょ
敎會
けうくわい
の
前󠄃
まへ
にて
彼
かれ
らに
顯
あらは
せ。
第9章
1
聖󠄄徒
せいと
に
施
ほどこ
すことに
就
つ
きては
汝
なんぢ
らに
書
か
きおくるに
及
およ
ばず、
2
我
われ
なんぢらの
志望󠄇
こゝろざし
あるを
知
し
ればなり。その
志望󠄇
こゝろざし
につき
汝
なんぢ
らの
事
こと
をマケドニヤ
人
びと
に
誇
ほこ
りて、アカヤは
旣
すで
に
一年
ひととせ
前󠄃
まへ
に
準備
じゅんび
をなせりと
云
い
へり。
斯
かく
て
汝
なんぢ
らの
熱心
ねっしん
は
多
おほ
くの
人
ひと
を
勵
はげ
ましたり。
3
然
さ
れど、われ
兄弟
きゃうだい
たちを
遣󠄃
つかは
すは、
我
わ
が
言
い
ひしごとく
汝
なんぢ
らに
準備
じゅんび
をなさしめ、
之
これ
につきて
我
われ
らの
誇
ほこ
りし
事
こと
の
空󠄃
むな
しくならざらん
爲
ため
なり。
4
もしマケドニヤ
人
びと
、われと
共
とも
に
來
きた
りて
汝
なんぢ
らの
準備
じゅんび
なきを
見
み
ば、
汝
なんぢ
らは
言
い
ふに
及
およ
ばず、
我
われ
らも
確信
かくしん
せしによりて
恐
おそ
らくは
恥
はぢ
を
受
う
けん。
5
この
故
ゆゑ
に
兄弟
きゃうだい
たちを
勸
すゝ
めて、
先
ま
づ
汝
なんぢ
らに
徃
ゆ
かしめ、
曩
さき
に
汝
なんぢ
らが
約束
やくそく
したる
慈惠
めぐみ
を
吝
をし
むが
如
ごと
くせずして、
惠
めぐ
む
心
こゝろ
より
爲
せ
んために
預
あらか
じめ
調
とゝの
へしむるは、
必要󠄃
ひつえう
のことと
思
おも
へり。
6
それ
少
すくな
く
播
ま
く
者
もの
は
少
すくな
く
刈
か
り、
多
おほ
く
播
ま
く
者
もの
は
多
おほ
く
刈
か
るべし。
7
おのおの
吝
をし
むことなく、
强
し
ひてすることなく、その
心
こゝろ
に
定
さだ
めし
如
ごと
くせよ。
神
かみ
は
喜
よろこ
びて
與
あた
ふる
人
ひと
を
愛
あい
し
給
たま
へばなり。
8
神
かみ
は
汝
なんぢ
等
ら
をして
常
つね
に
凡
すべ
ての
物
もの
に
足
た
らざることなく、
凡
すべ
ての
善
よ
き
業
わざ
に
溢󠄃
あふ
れしめんために、
凡
すべ
ての
恩惠
めぐみ
を
溢󠄃
あふ
るるばかり
與
あた
ふることを
得給
えたま
ふなり。
9
錄
しる
して 『
彼
かれ
は
散
ちら
して
貧󠄃
まづ
しき
者
もの
に
與
あた
へたり。 その
正義
たゞしき
は
永遠󠄄
とこしへ
に
存
のこ
らん』とある
如
ごと
し。
10
播
ま
く
人
ひと
に
種
たね
と
食󠄃
しょく
するパンとを
與
あた
ふる
者
もの
は、
汝
なんぢ
らにも
種
たね
をあたへ、
且
かつ
これを
殖
ふや
し、また
汝
なんぢ
らの
義
ぎ
の
果
み
を
增
ま
し
給
たま
ふべし。
11
汝
なんぢ
らは
一切
すべて
に
富
と
みて
吝
をし
みなく
施
ほどこ
すことを
得
え
、かくて
我
われ
らの
事
こと
により
人々
ひとびと
、
神
かみ
に
感謝
かんしゃ
するに
至
いた
るなり。
372㌻
12
此
こ
の
施濟
ほどこし
の
務
つとめ
は、ただに
聖󠄄徒
せいと
の
窮乏
ともしき
を
補
おぎな
ふのみならず、
充
み
ち
溢󠄃
あふ
れて
神
かみ
に
對
たい
する
感謝
かんしゃ
を
多
おほ
からしむ。
13
即
すなは
ち
彼
かれ
らは
此
こ
の
務
つとめ
を
證據
しょうこ
として、
汝
なんぢ
らがキリストの
福音󠄃
ふくいん
に
對
たい
する
言明
いひあらはし
に
順
したが
ふことと、
彼
かれ
らにも
凡
すべ
ての
人
ひと
にも
吝
をし
みなく
施
ほどこ
すこととに
就
つ
きて、
神
かみ
に
榮光
えいくわう
を
歸
き
し、
14
かつ
神
かみ
の
汝
なんぢ
らに
給
たま
ひし
優
すぐ
れたる
恩惠
めぐみ
により、
汝
なんぢ
らを
慕
した
ひて
汝
なんぢ
等
ら
のために
祈
いの
らん。
15
言
い
ひ
盡
つく
しがたき
神
かみ
の
賜物
たまもの
につきて
感謝
かんしゃ
す。
第10章
1
汝
なんぢ
らに
對
たい
し
面前󠄃
めんぜん
にては
謙󠄃
へりく
だり、
離
はな
れゐては
勇
いさ
ましき
我
われ
パウロ、
自
みづか
らキリストの
柔和
にうわ
と
寛容
くわんよう
とをもて
汝
なんぢ
らに
勸
すゝ
む。
2
我
われ
らを
肉
にく
に
從
したが
ひて
步
あゆ
むごとく
思
おも
ふ
者
もの
あれば、
斯
かゝ
る
者
もの
に
對
たい
しては
雄々
をゝ
しく
爲
せ
んと
思
おも
へど、
願
ねが
ふ
所󠄃
ところ
は
我
わ
が
汝
なんぢ
らに
逢
あ
ふとき
斯
か
く
勇
いさ
ましく
爲
せ
ざらん
事
こと
なり。
〘270㌻〙
3
我
われ
らは
肉
にく
にありて
步
あゆ
めども、
肉
にく
に
從
したが
ひて
戰
たゝか
はず。
4
それ
我
われ
らの
戰爭
たゝかひ
の
武器
ぶき
は
肉
にく
に
屬
ぞく
するにあらず、
神
かみ
の
前󠄃
まへ
には
城砦
とりで
を
破
やぶ
るほどの
能力
ちから
あり、
我等
われら
はもろもろの
論説
ろんせつ
を
破
やぶ
り、
5
神
かみ
の
示敎
しめし
に
逆󠄃
さから
ひて
建
た
てたる
凡
すべ
ての
櫓
やぐら
を
毀
こぼ
ち、
凡
すべ
ての
念
おもひ
を
虜
とりこ
にしてキリストに
服󠄃
したが
はしむ。
6
且
かつ
なんぢらの
從順
じゅうじゅん
の
全󠄃
まった
くならん
時
とき
、すべての
不
ふ
從順
じゅうじゅん
を
罰
ばっ
せんと
覺悟
かくご
せり。
7
汝
なんぢ
らは
外貌
うはべ
のみを
見
み
る、
若
も
し
人
ひと
みづからキリストに
屬
ぞく
する
者
もの
と
信
しん
ぜば、
己
おの
がキリストに
屬
ぞく
する
如
ごと
く、
我
われ
らも
亦
また
キリストに
屬
ぞく
する
者
もの
なることを
更
さら
に
考
かんが
ふべし。
8
假令
たとひ
われ
汝
なんぢ
らを
破
やぶ
る
爲
ため
ならずして
建
た
つる
爲
ため
に、
主
しゅ
が
我
われ
らに
賜
たま
ひたる
權威
けんゐ
につきて
誇
ほこ
ること
稍
やゝ
過󠄃
す
ぐとも
恥
はぢ
とはならじ。
9
われ
書
ふみ
をもて
汝
なんぢ
らを
嚇
おど
すと
思
おも
はざれ。
10
彼
かれ
らは
言
い
ふ『その
書
ふみ
は
重
おも
く、かつ
强
つよ
し、その
逢
あ
ふときの
容貌
かたち
は
弱󠄃
よわ
く、
言
ことば
は
鄙
いや
し』と。
373㌻
11
斯
かく
のごとき
人
ひと
は
思
おも
ふべし。
我
われ
らが
離
はな
れをる
時
とき
おくる
書
ふみ
の
言
ことば
のごとく、
逢
あ
ふときの
行爲
おこなひ
も
亦
また
然
しか
るを。
12
我
われ
らは
己
おのれ
を
譽
ほ
むる
人
ひと
と
敢
あへ
て
竝
なら
び、また
較
くら
ぶる
事
こと
をせず、
彼
かれ
らは
己
おのれ
によりて
己
おのれ
を
度
はか
り、
己
おのれ
をもて
己
おのれ
に
較
くら
ぶれば
智
ち
なき
者
もの
なり。
13
我
われ
らは
範圍
はんゐ
を
踰
こ
えて
誇
ほこ
らず。
神
かみ
の
我
われ
らに
分󠄃
わか
ち
賜
たま
ひたる
範圍
はんゐ
にしたがひて
誇
ほこ
らん。その
範圍
はんゐ
は
汝
なんぢ
らに
及
およ
べり。
14
汝
なんぢ
らに
及
およ
ばぬ
者
もの
のごとく
範圍
はんゐ
を
踰
こ
えて
身
み
を
延
のば
すに
非
あら
ず、キリストの
福音󠄃
ふくいん
を
傳
つた
へて
汝
なんぢ
らにまで
到
いた
れるなり。
15
我
われ
らは
己
おの
が
範圍
はんゐ
を
踰
こ
えて
他
ほか
の
人
ひと
の
勞
らう
を
誇
ほこ
らず、
唯
たゞ
なんぢらの
信仰
しんかう
の
彌增
いやま
すにより
我
われ
らの
範圍
はんゐ
に
循
したが
ひて
汝
なんぢ
らのうちに
更
さら
に
大
おほい
ならんことを
望󠄇
のぞ
む。
16
これ
他
ほか
の
人
ひと
の
範圍
はんゐ
に
旣
すで
に
備
そなは
りたるものを
誇
ほこ
らず、
汝
なんぢ
らを
踰
こ
えて
外
ほか
の
處
ところ
に
福音󠄃
ふくいん
を
宣傳
のべつた
へん
爲
ため
なり。
17
誇
ほこ
る
者
もの
は
主
しゅ
によりて
誇
ほこ
るべし。
18
そは
是
これ
とせらるるは
己
おのれ
を
譽
ほ
むる
者
もの
にあらず、
主
しゅ
の
譽
ほ
め
給
たま
ふ
者
もの
なればなり。
第11章
1
願
ねがは
くは
汝
なんぢ
等
ら
わが
少
すこ
しの
愚
おろか
を
忍󠄄
しの
ばんことを。《[*]》
請󠄃
こ
ふ
我
われ
を
忍󠄄
しの
べ。[*或は「もとより汝らは我を忍󠄄ぶなり」と譯す。]
2
われ
神
かみ
の
熱心
ねっしん
をもて
汝
なんぢ
らを
慕
した
ふ、われ
汝
なんぢ
らを
潔󠄄
きよ
き
處女
をとめ
として
一人
ひとり
の
夫
をっと
なるキリストに
獻
さゝ
げんとて、
之
これ
に
許嫁
いひなづけ
したればなり。
3
されど
我
わ
が
恐
おそ
るるは、
蛇
へび
の
惡巧
わるだくみ
によりてエバの
惑
まどは
されし
如
ごと
く、
汝
なんぢ
らの
心
こゝろ
害󠄅
そこな
はれてキリストに
對
たい
する
眞心
まごゝろ
と
貞操
みさを
とを
失
うしな
はん
事
こと
なり。
4
もし
人
ひと
きたりて
我
われ
らの
未
いま
だ
宣
の
べざる
他
ほか
のイエスを
宣
の
ぶる
時
とき
、また
汝
なんぢ
らが
未
いま
だ
受
う
けざる
他
ほか
の
靈
れい
を
受
う
け、
未
いま
だ
受
う
け
容
い
れざる
他
ほか
の
福音󠄃
ふくいん
を
受
う
くるときは
汝
なんぢ
ら
能
よ
く
之
これ
を
忍󠄄
しの
ばん。
5
我
われ
は
何事
なにごと
にも、かの
大使徒
だいしと
たちに
劣
おと
らずと
思
おも
ふ。
〘271㌻〙
6
われ
言
ことば
に
拙
つたな
けれども
知識
ちしき
には
然
しか
らず、
凡
すべ
ての
事
こと
にて
全󠄃
まった
く
之
これ
を
汝
なんぢ
らに
顯
あらは
せり。
7
われ
汝
なんぢ
らを
高
たか
うせんために
自己
みづから
を
卑
ひく
うし、
價
あたひ
なくして
神
かみ
の
福音󠄃
ふくいん
を
傳
つた
へたるは
罪
つみ
なりや。
374㌻
8
我
われ
は
他
ほか
の
敎會
けうくわい
より
奪
うば
ひ
取
と
り、その
俸給
ほうきふ
をもて
汝
なんぢ
らに
事
つか
へたり。
9
又󠄂
また
なんぢらの
中
うち
に
在
あ
りて
乏
とぼ
しかりしとき、
誰
たれ
をも
煩
わづら
はさず、マケドニヤより
來
きた
りし
兄弟
きゃうだい
たち
我
わ
が
窮乏
ともしき
を
補
おぎな
へり。
斯
か
く
凡
すべ
ての
事
こと
に
汝
なんぢ
らを
煩
わづら
はすまじと
愼
つゝし
みたるが、
此
こ
の
後
のち
もなほ
愼
つゝし
まん。
10
我
われ
に
在
あ
るキリストの
誠實
まこと
によりて
言
い
ふ、
我
われ
この
誇
ほこり
をアカヤの
地方
ちはう
にて
阻
はば
まるる
事
こと
あらじ。
11
これ
何
なに
故
ゆゑ
ぞ、
汝
なんぢ
らを
愛
あい
せぬに
因
よ
るか、
神
かみ
は
知
し
りたまふ。
12
我
われ
わが
行
おこな
ふ
所󠄃
ところ
をなほ
行
おこな
はん、これ
機會
をり
をうかがふ
者
もの
の
機會
をり
を
斷
た
ち、
彼
かれ
等
ら
をしてその
誇
ほこ
る
所󠄃
ところ
につき
我
われ
らの
如
ごと
くならしめん
爲
ため
なり。
13
斯
かく
の
如
ごと
きは
僞
にせ
使徒
しと
また
詭計
たばかり
の
勞動人
はたらきびと
にして、
己
おのれ
をキリストの
使徒
しと
に
扮
よそほ
へる
者
もの
どもなり。
14
これ
珍
めづら
しき
事
こと
にあらず、サタンも
己
おのれ
を
光
ひかり
の
御使
みつかひ
に
扮
よそほ
へば、
15
その
役者
えきしゃ
らが
義
ぎ
の
役者
えきしゃ
のごとく
扮
よそほ
ふは
大事
だいじ
にはあらず、
彼
かれ
等
ら
の
終󠄃局
をはり
はその
業
わざ
に
適󠄄
かな
ふべし。
16
われ
復
また
いはん、
誰
たれ
も
我
われ
を
愚
おろか
と
思
おも
ふな。もし
然
しか
おもふとも、
少
すこ
しく
誇
ほこ
る
機
をり
を
我
われ
にも
得
え
させん
爲
ため
に
愚
おろか
なる
者
もの
として
受
うけ
容
い
れよ。
17
今
いま
いふ
所󠄃
ところ
は
主
しゅ
によりて
言
い
ふにあらず、
愚
おろか
なる
者
もの
として
大膽
だいたん
に
誇
ほこ
りて
言
い
ふなり
18
多
おほ
くの
人
ひと
、
肉
にく
によりて
誇
ほこ
れば
我
われ
も
誇
ほこ
るべし。
19
汝
なんぢ
らは
智
さと
き
者
もの
なれば
喜
よろこ
びて
愚
おろか
なる
者
もの
を
忍󠄄
しの
ぶなり。
20
人
ひと
もし
汝
なんぢ
らを
奴隷
どれい
とすとも、
食󠄃
く
ひ
盡
つく
すとも、
掠
かす
めとるとも、
驕
おご
るとも、
顏
かほ
を
打
う
つとも、
汝
なんぢ
らは
之
これ
を
忍󠄄
しの
ぶ。
21
われ
恥
は
ぢて
言
い
ふ、
我
われ
らは
弱󠄃
よわ
き
者
もの
の
如
ごと
くなりき。されど
人
ひと
の
雄々
をを
しき
所󠄃
ところ
は
我
われ
もまた
雄々
をを
し、われ
愚
おろか
にも
斯
か
く
言
い
ふなり。
22
彼
かれ
らヘブル
人
びと
なるか、
我
われ
も
然
しか
り、
彼
かれ
らイスラエル
人
びと
なるか、
我
われ
も
然
しか
り、
彼
かれ
らアブラハムの
裔
すゑ
なるか、
我
われ
も
然
しか
り。
23
彼
かれ
らキリストの
役者
えきしゃ
なるか、われ
狂
くる
へる
如
ごと
く
言
い
ふ、
我
われ
はなほ
勝󠄃
まさ
れり。わが
勞
らう
は
更
さら
におほく、
獄
ひとや
に
入
い
れられしこと
更
さら
に
多
おほ
く、
鞭
むち
うたれしこと
更
さら
に
夥
おびた
だしく、
死
し
に
瀕
のぞ
みたりしこと
屡次
しばしば
なりき。
375㌻
24
ユダヤ
人
びと
より
四十
しじふ
に
一
ひと
つ
足
た
らぬ
鞭
むち
を
受
う
けしこと
五度
いつたび
、
25
笞
しもと
にて
打
う
たれしこと
三
み
たび、
石
いし
にて
打
う
たれしこと
一
ひと
たび、
破船
はせん
に
遭󠄃
あ
ひしこと
三度
みたび
にして
一晝夜
いちちうや
、
海
うみ
にありき。
26
しばしば
旅行
りょかう
して
河
かは
の
難
なん
、
盜賊
たうぞく
の
難
なん
、
同族
どうぞく
の
難
なん
、
異邦人
いはうじん
の
難
なん
、
市中
しちゅう
の
難
なん
、
荒野
あらの
の
難
なん
、
海上
かいじゃう
の
難
なん
、
僞
にせ
兄弟
きゃうだい
の
難
なん
にあひ、
27
勞
らう
し、
苦
くる
しみ、しばしば
眠
ねむ
らず、
飢󠄄
う
ゑ
渇
かわ
き、しばしば
斷食󠄃
だんじき
し、
凍
こご
え、
裸
はだか
なりき。
〘272㌻〙
28
ここに
擧
あ
げざる
事
こと
もあるに、なほ
日々
ひゞ
われに
迫󠄃
せま
る
諸
しょ
敎會
けうくわい
の
心勞
こゝろづかひ
あり。
29
誰
たれ
か
弱󠄃
よわ
りて
我
われ
弱󠄃
よわ
らざらんや、
誰
たれ
か
躓
つまづ
きて
我
われ
燃
も
えざらんや。
30
もし
誇
ほこ
るべくは、
我
わ
が
弱󠄃
よわ
き
所󠄃
ところ
につきて
誇
ほこ
らん。
31
永遠󠄄
とこしへ
に
讃
ほ
むべき
者
もの
、すなはち
主
しゅ
イエスの
神
かみ
また
父󠄃
ちち
は、
我
わ
が
僞
いつは
らざるを
知
し
り
給
たま
ふ。
32
ダマスコにてアレタ
王
わう
の
下
もと
にある
總督
そうとく
われを
捕
とら
へんとてダマスコ
人
びと
の
町
まち
を
守
まも
りたれば、
33
我
われ
は
籠
かご
にて
窓
まど
より
石垣傳
いしがきづた
ひに
縋
つ
り
下
おろ
されて
其
そ
の
手
て
を
脫󠄁
のが
れたり。
第12章
1
わが
誇
ほこ
るは
益
えき
なしと
雖
いへど
も
止
や
むを
得
え
ざるなり、
茲
こゝ
に
主
しゅ
の
顯示
しめし
と
默示
もくし
とに
及
およ
ばん。
2
我
われ
はキリストにある
一人
ひとり
の
人
ひと
を
知
し
る。この
人
ひと
、
十四年
じふよねん
前󠄃
まへ
に
第三
だいさん
の
天
てん
にまで
取
と
り
去
さ
られたり(
肉體
にくたい
にてか、われ
知
し
らず、
肉體
にくたい
を
離
はな
れてか、われ
知
し
らず、
神
かみ
しり
給
たま
ふ)
3
われ
斯
かく
のごとき
人
ひと
を
知
し
る(
肉體
にくたい
にてか、
肉體
にくたい
の
外
ほか
にてか、われ
知
し
らず、
神
かみ
しり
給
たま
ふ)
4
かれパラダイスに
取去
とりさ
られて
言
い
ひ
得
え
ざる
言
ことば
、
人
ひと
の
語
かた
るまじき
言
ことば
を
聞
き
けり。
5
われ
斯
かく
のごとき
人
ひと
のために
誇
ほこ
らん、
然
さ
れど
我
わ
が
爲
ため
には
弱󠄃
よわ
き
事
こと
のほか
誇
ほこ
るまじ。
6
もし
自
みづか
ら
誇
ほこ
るとも
我
わ
が
言
い
ふところ
誠實
まこと
なれば、
愚
おろか
なる
者
もの
とならじ。
然
さ
れど
之
これ
を
罷
や
めん。
恐
おそ
らくは
人
ひと
の
我
われ
を
見
み
、われに
聞
き
くところに
過󠄃
す
ぎて
我
われ
を
思
おも
ふことあらん。
376㌻
7
我
われ
は
我
わ
が
蒙
かうむ
りたる
默示
もくし
の
鴻大
こうだい
なるによりて
高
たか
ぶることの
莫
なか
らんために
肉體
にくたい
に
一
ひと
つの
刺
とげ
を
與
あた
へらる、
即
すなは
ち
高
たか
ぶること
莫
なか
らん
爲
ため
に
我
われ
を
擊
う
つサタンの
使
つかひ
なり。
8
われ
之
これ
がために
三度
みたび
まで
之
これ
を
去
さ
らしめ
給
たま
はんことを
主
しゅ
に
求
もと
めたるに、
9
言
い
ひたまふ『わが
恩惠
めぐみ
なんぢに
足
た
れり、わが
能力
ちから
は
弱󠄃
よわ
きうちに
全󠄃
まった
うせらるればなり』
然
さ
ればキリストの
能力
ちから
の
我
われ
を
庇
おほ
はんために、
寧
むし
ろ
大
おほい
に
喜
よろこ
びて
我
わ
が
微弱󠄃
よわき
を
誇
ほこ
らん。
10
この
故
ゆゑ
に
我
われ
はキリストの
爲
ため
に
微弱󠄃
よわき
・
恥辱
はづかしめ
・
艱難
なやみ
・
迫󠄃害󠄅
はくがい
・
苦難
くるしみ
に
遭󠄃
あ
ふことを
喜
よろこ
ぶ、そは
我
われ
よわき
時
とき
に
强
つよ
ければなり。
11
われ
汝
なんぢ
らに
强
し
ひられて
愚
おろか
になれり、
我
われ
は
汝
なんぢ
らに
譽
ほ
めらるべかりしなり。
我
われ
は
數
かぞ
ふるに
足
た
らぬ
者
もの
なれども、
何事
なにごと
にもかの
大使徒
だいしと
たちに
劣
おと
らざりしなり。
12
我
われ
は
徴
しるし
と
不思議
ふしぎ
と
能力
ちから
ある
業
わざ
とを
行
おこな
ひ、
大
おほい
なる
忍󠄄耐
にんたい
を
用
もち
ひて
汝
なんぢ
等
ら
のうちに
使徒
しと
の
徴
しるし
をなせり。
13
なんぢら
他
ほか
の
敎會
けうくわい
に
何
なに
の
劣
おと
る
所󠄃
ところ
かある、
唯
たゞ
わが
汝
なんぢ
らを
煩
わづら
はさざりし
事
こと
のみならずや、
此
こ
の
不義
ふぎ
は
請󠄃
こ
ふ
我
われ
に
恕
ゆる
せ。
14
視
み
よ、
茲
こゝ
に
三度
みたび
なんぢらに
到
いた
らんとして
準備
じゅんび
したれど、
尙
なほ
なんぢらを
煩
わづら
はすまじ。
我
われ
は
汝
なんぢ
らの
所󠄃有
もの
を
求
もと
めず、ただ
汝
なんぢ
らを
求
もと
む。それ
子
こ
は
親
おや
のために
貯
たくは
ふべきにあらず、
親
おや
は
子
こ
のために
貯
たくは
ふべきなり。
〘273㌻〙
15
我
われ
は
大
おほい
に
喜
よろこ
びて
汝
なんぢ
らの
靈魂
たましひ
のために
物
もの
を
費
つひや
し、また
身
み
をも
費
つひや
さん。
我
われ
なんぢらを
多
おほ
く
愛
あい
するによりて
汝
なんぢ
ら
我
われ
を
少
すくな
く
愛
あい
するか。
16
或
ある
人
ひと
いはん、
我
われ
なんぢらを
煩
わづら
はさざりしも、
狡猾
かうくわつ
にして
詭計
たばかり
をもて
取
と
りしなりと。
17
然
さ
れど
我
われ
なんぢらに
遣󠄃
つかは
しし
者
もの
のうちの
誰
たれ
によりて
汝
なんぢ
らを
掠
かす
めしや。
377㌻
18
我
われ
テトスを
勸
すゝ
めて
汝
なんぢ
らに
遣󠄃
つかは
し、これと
共
とも
にかの
兄弟
きゃうだい
を
遣󠄃
つかは
せり、テトスは
汝
なんぢ
らを
掠
かす
めしや。
我
われ
らは
同
おな
じ
御靈
みたま
によりて
步
あゆ
み、
同
おな
じ
足跡
あしあと
を
蹈
ふ
みしにあらずや。
19
汝
なんぢ
らは
夙
はや
くより
我等
われら
なんぢらに
對
たい
して
辯明
べんめい
すと
思
おも
ひしならん。されど
我
われ
らはキリストに
在
あ
りて
神
かみ
の
前󠄃
まへ
にて
語
かた
る。
愛
あい
する
者
もの
よ、これ
皆
みな
なんぢらの
德
とく
を
建
た
てん
爲
ため
なり。
20
わが
到
いた
りて
汝
なんぢ
らを
見
み
ん
時
とき
、わが
望󠄇
のぞみ
の
如
ごと
くならず、
汝
なんぢ
らが
我
われ
を
見
み
んとき、
亦
また
なんぢらの
望󠄇
のぞみ
の
如
ごと
くならざらんことを
恐
おそ
れ、かつ
分󠄃爭
あらそひ
・
嫉妬
ねたみ
・
憤恚
いきどほり
・
徒黨
とたう
・
誹謗
そしり
・
讒言
ざんげん
・
驕傲
たかぶり
・
騷亂
さわぎ
などの
有
あ
らんことを
恐
おそ
る。
21
また
重
かさ
ねて
到
いた
らん
時
とき
、わが
神
かみ
われを
汝
なんぢ
等
ら
のまへにて
辱
はづか
しめ、
且
かつ
おほくの
人
ひと
の、
前󠄃
さき
に
罪
つみ
を
犯
をか
して
行
おこな
ひし
不潔󠄄
ふけつ
と
姦淫
かんいん
と
好色
かうしょく
とを
悔改
くいあらた
めざるを
悲
かな
しましめ
給
たま
ふことあらん
乎
か
と
恐
おそ
る。
第13章
1
今
いま
われ
三度
みたび
なんぢらに
到
いた
らんとす、
二
に
三
さん
の
證人
しょうにん
の
口
くち
によりて
凡
すべ
てのこと
慥
たしか
めらるべし。
2
われ
旣
すで
に
吿
つ
げたれど、
今
いま
離
はな
れをりて、
二度
ふたゝび
なんぢらに
逢
あ
ひし
時
とき
のごとく、
前󠄃
さき
に
罪
つみ
を
犯
をか
したる
者
もの
とその
他
ほか
の
凡
すべ
ての
人々
ひとびと
とに
預
あらか
じめ
吿
つ
ぐ、われ
復
また
いたらば
決
けっ
して
宥
ゆる
さじ。
3
汝
なんぢ
らはキリストの
我
われ
にありて
語
かた
りたまふ
證據
しょうこ
を
求
もと
むればなり。キリストは
汝
なんぢ
らに
對
むか
ひて
弱󠄃
よわ
からず、
汝
なんぢ
等
ら
のうちに
强
つよ
し。
4
微弱󠄃
よわき
によりて
十字架
じふじか
に
釘
つ
けられ
給
たま
ひたれど、
神
かみ
の
能力
ちから
によりて
生
い
き
給
たま
へばなり。
我
われ
らもキリストに
在
あ
りて
弱󠄃
よわ
き
者
もの
なれど、
汝
なんぢ
らに
向
むか
ふ
神
かみ
の
能力
ちから
によりて
彼
かれ
と
共
とも
に
生
い
きん。
5
なんぢら
信仰
しんかう
に
居
を
るや
否
いな
や、
自
みづか
ら
試
こゝろ
み、
自
みづか
ら
驗
ため
しみよ。
汝
なんぢ
らみづから
知
し
らざらんや、
若
も
し
棄
す
てらるる
者
もの
ならずば、イエス・キリストの
汝
なんぢ
らの
中
うち
に
在
いま
す
事
こと
を、
6
我
われ
は
我
われ
らの
棄
す
てらるる
者
もの
ならぬを
汝
なんぢ
らの
知
し
らんことを
望󠄇
のぞ
む。
378㌻
7
我
われ
らは
汝
なんぢ
らの
少
すこ
しにても
惡
あく
を
行
おこな
はざらんことを
神
かみ
に
祈
いの
る。これ
我
われ
らの
是
ぜ
とせらるるを
顯
あらは
さん
爲
ため
にあらず、
縱
よし
われらは
棄
す
てらるる
者
もの
の
如
ごと
くなるとも、
汝
なんぢ
らの
善
ぜん
を
行
おこな
はん
爲
ため
なり。
8
我
われ
らは
眞理
まこと
に
逆󠄃
さから
ひて
能力
ちから
なく、
眞理
まこと
のためには
能力
ちから
あり。
9
われら
弱󠄃
よわ
くして
汝
なんぢ
らの
强
つよ
きことを
喜
よろこ
ぶ、また
之
これ
に
就
つ
きて
祈
いの
るは
汝
なんぢ
らの
全󠄃
まった
くならん
事
こと
なり。
〘274㌻〙
10
われ
離
はな
れ
居
を
りて
此
これ
等
ら
のことを
書
か
き
贈
おく
るは、
汝
なんぢ
らに
逢
あ
ふとき、
主
しゅ
の
破
やぶ
る
爲
ため
ならずして
建
た
つる
爲
ため
に
我
われ
に
賜
たま
ひたる
權威
けんゐ
に
隨
したが
ひて
嚴
きび
しくせざらん
爲
ため
なり。
11
終󠄃
をはり
に
言
い
はん、
兄弟
きゃうだい
よ、
汝
なんぢ
ら
喜
よろこ
べ、
全󠄃
まった
くなれ、
慰安
なぐさめ
を
受
う
けよ、
心
こゝろ
を
一
ひと
つにせよ、
睦
むつ
み
親
した
しめ、
然
さ
らば
愛
あい
と
平󠄃和
へいわ
との
神
かみ
なんぢらと
偕
とも
に
在
いま
さん。
12
潔󠄄
きよ
き
接吻
くちつけ
をもて
相
あひ
互
たがひ
に
安否
あんぴ
を
問
と
へ、
凡
すべ
ての
聖󠄄徒
せいと
なんぢらに
安否
あんぴ
を
問
と
ふ。
13
願
ねがは
くは
主
しゅ
イエス・キリストの
恩惠
めぐみ
・
神
かみ
の
愛
あい
・
聖󠄄
せい
靈
れい
の
交感
まじはり
、なんぢら
凡
すべ
ての
者
もの
と
偕
とも
にあらんことを。
〘275㌻〙
379㌻